2009年9月

水を飲んで結石になった?

ある人が、
「某ミネラルウォーターを長年飲んでいたら結石や胆石が出来た」と言いました。
まさか、と思っていたのですが、
その人の知人までも「私も結石になった」と言い出したので、
どんな水か聞いてみたところ、結構有名なお水でした。(品名は伏せます)
成人に必要なカルシウムは1日あたり600mg 、マグネシウムは300mgです。
さきほどのお水の成分を調べると、
100mlあたりカルシウム1.58mg、マグネシウム1.04mgでした。
まろやかで飲みやすい軟水です。

個人的に、硬水はちょっと苦手ですが、有名なコントレックスは、
100mlあたりカルシウム46.8mg、マグネシウム7.45mgです。

ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウム、
ナトリウム、カリウムなどが含まれていますが、それは微量で、
水だけで1日の必要量を摂取するなら大量に飲まなければいけません。

もし、ビリルビン(黄色っぽい色をしています)とか、コレステロールとか、
シュウ酸が含まれているような水なら胆石や結石の原因になりうるかもしれませんが、
ミネラルウォーターが石を形成するとは考えにくいのです。
医師にも聞いてみましたが、
「たくさん飲めば尿として出るだけ。因果関係はないと思う」
という話でした。

『たまたま』患者達が同じ水を飲んでいて、
体質や、生活習慣が似ている人達が集まっただけなのでは?と私は思います。

食生活の欧米化

カルシウムを多めに摂取するだけでなく、
尿中に排泄されるカルシウム量を減らすため砂糖の過剰摂取や、
動物性蛋白質、塩分を控えめにすることも大切です。
EPAはシュウ酸がカルシウムが尿に排出されるのを妨げる働きがあるため、
魚介類は積極的に食べても大丈夫です。
こうして見ると、高脂血症や糖尿病のための食事は、
尿路結石の予防にも繋がるのではいでしょうか。
食生活の欧米化に伴い尿路結石の患者は増加傾向にあります。
濃い味付けの肉料理を毎日食べているような方は、
生活習慣病の予備軍になってもおかしくありません。

尿潜血

風邪で病院を受診した時に、
必ずといっていいほど尿検査を薦められます。
会社の健康診断でも基本的にセットになっています。

尿潜血が陽性になる割合は男性より女性の方が多く、
年齢が高くなるにつれて陽性になる割合が高くなります。
血尿といっても、肉眼で見えない場合がありますので、
やはり定期的な検査は大切です。

尿潜血陽性を示す病気
  • 腎炎
  • 腎結石、腎腫瘍、遊走腎、腎外傷、のう胞腎など
  • 尿管結石、尿管腫瘍など
  • 膀胱炎、膀胱結石、膀胱腫瘍など
  • 前立腺炎、前立腺がん、尿道炎など
  • 白血病、溶血性貧血、心筋梗塞、など

病気とは言えない「尿潜血」もあります。
激しい運動後や発熱・過労による血尿や、
女性の場合は、性器からの分泌物に白血球等が含まれるため、
尿検査で潜血反応が出てしまうこともあるそうです。
このことから「尿検査では出始めの尿は捨てて下さい」と言われます。

あと、痩せている人に多いのが、
椅子に座った時に、腎臓が下にひっぱられて負担がかかり、
細い血管から出血する事があるそうです。(全く痛くない事もあります)
脂肪に囲まれていないと、腎臓がある程度自由に動くスペースがあるので、
腎臓はゆらゆら揺れています。超音波検査(エコー)で確認できます。
腎臓が約10cm以上下垂するような状態は「遊走腎」になります。

体外衝撃波結石破砕術

体外衝撃波破砕術ともいい
略して「はさい」や、ESWLと言います。
(Extracorporeal Shock-wave Lithotripsy:ESWL)

水中で発生させた衝撃波を、結石に体外から集中的にあてて、
砕く治療です。
昔は患者が水につかってESWLを受けていましたが、
現在は、ドライ式で行います。
メスを使わないので癒着の心配もなく、
安全に尿路結石を砕くことが出来ます。

1日入院、病院によっては日帰りでもESWLを受ける事が出来ます。
一応、手術扱いなので、治療費は高額になります。
3割負担で6万円~です。

麻酔をする場合もあるし、
軽い痛み止めを使う場合もあります。
患者の既往症や状態によって異なります。

実際にESWLを受けた人の話によると、
ただ台の上に寝ているだけで「パン!パン!」という音が聞こえたそうです。

ESWLの後、40度近い高熱が1週間続いたり、
肺炎を起こして泌尿器科→呼吸器科へ入院したという人もいます。
1回で砕石できず、日をあけて2回3回と受ける場合もあります。
開腹手術より、肉体的、精神的苦痛は少ないですが、
絶対安全な手術、というものはありません。
手術に関しては、医師の説明を十分聞いてから受けてください。

小さな結石は自然排出される

尿管はぜん動運動をしますので、4〜5mm程度の小さな尿路結石でしたら、
ほとんどが尿と一緒に排泄されます。
気付かないうちに排出している場合もあります。
しかし、尿路結石が自然排出されるのは3〜4ヶ月までで、
それ以上は期待できません。

縄跳びをしたり、ジャンプ運動をすると出てくる、と言う話もありますが、
医学的根拠はありません。
せん痛発作を引き起こさないとも限らないので、
無理な運動は控えたほうが良いでしょう。

ジャンプはせずに、
とにかく水分を多めに摂取することが重要です。

腎盂腎炎などの炎症があったり、痛みが頻繁にあったりする場合は、
石の大きさにかかわらず、取り除く治療を勧められます。

尿路造影検査

静脈から造影剤を注射して、腹部X線撮影する検査です。
造影剤は、腎臓から排泄され、尿管を通って膀胱にたどり着きます。
しかし、結石がある部分は膨らんだ状態で写ります。
この検査で、ほとんどの結石の位置や大きさがつかめます。
CT等で、気管支喘息患者の造影剤は禁忌であり、リスク回避のため、
造影検査をしない場合もあります。

主な検査

尿路結石の位置や大きさなどを調べる超音波検査(エコー)X線CT検査、
尿路造影検査等をします。
X線検査では、尿酸結石は写りません。
尿検査では結石の種類を調べます。
尿管から腎盂(じんう)、尿管、膀胱の間で尿の流れが妨げられると
尿管・腎臓が腫れてきます。
この腫れた腎臓を水腎症、腫れた尿管を水尿管と言います。
検査では、結石によって腎臓の腫れがないかも見ます。
結石が小さく、骨と重なっている場合は見つけにくい場合もありますが、
6〜7割の結石は検査で診断がつきます。
また、排出とまではいかなくても、短時間の間に
結石が若干移動する場合もあります。

尿路結石を溶解する薬

薬物療法は尿酸結石やシスチン結石に対しては効果的です。
尿をアルカリ化して結晶を出来にくくしたり、
シスチン結石にはシスチンを溶かす薬があります。
リン酸マグネシウム/アンモニア結石では
尿を酸性化することが必要です。
シュウ酸カルシウム結石は、尿の酸性、アルカリ性はあまり関係がありません。
古くから民間薬として使用されていたウラジロガシを原料とした、
ウロカルンという薬を処方される事が有ります。
副作用は少なく、長期間の服用が出来ます。
残念ながらウロカルンで必ず結石がなくなる、という保証はありません。

乾燥したウラジロガシの葉は、健康食品のお店等にあります。
やかんで煮だしてお茶にして飲むとおいしいです。
病気じゃない人が飲んでも問題ありません。
そんなに高くないので「効いたらラッキー」くらいの気持ちで飲んでみるのもいいかもしれません。

「薬を飲むより、割った方が早いから」という理由で、
体外衝撃波砕石術を勧める病院が多いようです。

結石の種類

結石はその成分によって色や形が様々です。
結石の大きさや種類に応じて、治療法を異なります。

  • 蓚酸カルシウム結石 (シュウ酸カルシウム結石)
結石でもっとも多く、8割はシュウ酸カルシウム結石です。
結石の表面がギザギザになっていて、小さくても尿管に詰まりやすく、
詰まると、せん痛発作(冷や汗が出るほどの激痛)を起こします。

  • リン酸カルシウム結石
シュウ酸カルシウム結石と混合していることが多く、
尿がアルカリ性になったときに出来やすいといわれています。

  • リン酸マグネシウムアンモニウム結石
この結石は尿路に細菌が繁殖する尿路感染が原因で起こります。
いったんこの結石ができると、石が細菌を増やし、石がどんどん大きくなります。
尿を酸性化すると、結石を溶解出来るといわれています。

  • 尿酸結石
痛風や高尿酸尿症の人にできやすい結石で
尿が酸性になったときにできやすいといわれています。

  • シスチン結石
遺伝的な異常が原因で起こります。
硬くて体外衝撃波などで破砕しにくいのが特徴です。
これも尿をアルカリ性にすることで溶かすことが可能です。
水分摂取量を増やすことが大事で、尿のシスチン濃度を低く抑えるために、
毎日約4リットルの尿を出すのが望ましいといわれています。

痛みが発生する部位

尿路結石の発作は、
背部、側腹部から、下腹部にかけて疝痛(せん痛)発作を起こします。

尿路結石が腎臓にある時は無痛のことが多く、
尿管の狭い箇所に移動した際に、痛みを生じます。

尿路結石によって刺激を受けた尿管がけいれんを起こし、
腎臓から膀胱への尿の流れを遮断し、腎臓に圧力がかかることで、
激痛とともに吐き気、頻脈、血尿などが表れます。

疝痛発作は、数時間続きます。
激しい痛みが起こったら、早急に病院に行く事をお勧めします。
歩いて車に乗れないほど痛い時は、
救急車の要請も必要になるでしょう。